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No. V044 完全燃焼 條件:フランドール2 妹紅2 使用:充填 咒力:4 這張事件卡,每回合只能使用1次。 獲得9點咒力。 自己牌組上方的5張卡加入手牌。 這個回合結束時,自己的領導人的體力變為0。
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不完全燃焼、恋愛模様 雑貨店に入ってもこの4名は目立っていた。 いや、3名の男達は目立っていた。 店内のあちこちから視線が突き刺さる。 汐屋はそんな異様な状況に、少し疲れを感じはじめていた。 まだ買い物をスタートさせてから一時間も経っていないというのに、こんなに人から注目を浴びるのが疲れるとは、初めて知った。 そして普通の人間で良かったと改めて思う。 イケメンテニス部3人は慣れたもので、見られている事にまるで気付いていないかのように、普通にその辺の雑貨を手に取ってはあーだこーだと品評している。 「汐屋、こんなんどうやろ?」 そう言って白石が見せたのは、ピンク地に白の水玉で無駄にでかい微妙なクマのアップリケが縫い付けてある、なんとも形容し難い趣味のタオルだった。 「……もう少し違うのがいいかな?」 「そう? 女の子ってこんなん好きちゃうん?」 「そ、そうかな?」 「なんや、汐屋はあんまり可愛らしいのは好きやないん?」 「物によるかな」 白石の微妙なセンスを知って、汐屋は白石ファンの友人達の顔を思い出した。 顔が良いのだから何でもセンスがいいに違いないと豪語していた友人の姿がかすんで見える。 「こんなんはどうやろか?」 「あ、すごく可愛い」 千歳が手にしたのはふわふわの生地に黄色やオレンジの小さな星がいくつも刺繍された、可愛らしいタオルだった。 「なんかえらいふわふわして、やたら気持ちいいっちゃけど」 「本当~。千歳君センス良いっちゃね!」 「そう? よー分からんけど、汐屋が良いって言うタオルなら大丈夫やろ」 つられて方言が出た汐屋を可愛いなどと思いながらニッコリ笑う。 「あ、結構安い! 私も種類違うヤツ買おうかな~?」 「ほんなこつ。こげん安かなら、一枚だけ買うとももったいなかね」 「妹さんにあげたら?」 「ミユキに? そうやね、なら母ちゃんにも買うてやるかな」 二人のやり取りを見ていた白石と忍足は、顔を見合わせる。 どこからどう見ても仲良しカップルにしか見えない。 「白石、どう思う?」 「せやなあ……お似合いやなあ」 白石達の会話は、千歳達には聞こえていなかった。 その後、汐屋が母親に頼まれたというキッチン雑貨なども一緒に見て回った。 そして全ての買い物を終え店を出ると、昼に近い時間になっていた。 4人は商店街の中にある安くてボリュームがあって美味いと評判の定食屋に入った。 「汐屋のおかげでいいのが選べたばい。本当にありがとう」 「全然。千歳君が自分で選んだんやけん、お礼言われることとか何もしとらんよ。それに私のお母さんの買い物にも付き合ってもらって、なんか帰って申し訳なかったな……」 「俺一人やったらあんな店入りきらんかったし、やっぱり迷って買いきらんかったと思うけん。やっぱり汐屋のおかげたい。気にする事なかよ」 「そう言ってもらうと嬉しかけど」 「お取り込み中悪いねんけど」 千歳と汐屋が会話を弾ませていると、忍足が割り込んできた。 「何ね、謙也」 「どうしたの? 忍足君」 「それや」 「どれ?」 指をさす忍足に、汐屋が首を傾げる。 「なんで自分、俺達としゃべる時は標準語で、千歳としゃべる時は九州弁なん?」 「え? ああ。だって大阪の人だから九州の言葉よく分かんないでしょ?」 「せやけどこいつはもうずっと大阪で九州弁しゃべってんで?」 「別に俺は気にせんけんね。汐屋が気になるとやったら使い分けたら良かたい」 「あ、うん……」 言葉を濁す汐屋に、白石は頬杖を付いたまま尋ねた。 「もしかして、何かあったん?」 それに反応したのは千歳だった。 すぐに汐屋の顔を見る。 白石の言葉が図星だったのか、汐屋は力なく笑うと首を横に振った。 「別に、何もないよ」 「ーーーそれなら別にええねんけどな」 白石はそれ以上何も聞かなかった。 だが、千歳はずっと汐屋の事が気になっていた。 前から感じていた他人と汐屋との間にある壁。その理由が知りたかった。 どうして普段は標準語を使うのか。 どうして自分には方言で話してくれるのか。 少しは自分に気を許してくれているからなのだろうか? テニスの試合ならば簡単に読める相手のことも、汐屋のことになるとからきし駄目だった。 続く… ここまでお読みくださりありがとうございました。 なかなか展開しなくてすみません(汗) なんせテーマが浮遊…(もういい?w) 次へ ↓ 不完全燃焼、恋愛模様.8
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原曲・石川智晶 作詞作曲・石川智晶、編曲・西田マサラ TVアニメ「神様ドォルズ」OP曲。 【登録タグ 2011年の楽曲 J-POP アニソン 石川智晶 神様ドォルズ】 カバーした声優 緒方恵美
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不完全燃焼、恋愛模様 「なんや千歳、お前随分暗い顔しとるなあ」 部室のドアを開けた瞬間、千歳はチームメートに突っ込まれた。 「そうかね?」 力なく返事をして荷物をロッカーに詰め込む。 制服を脱いで着替えていると、白石がやって来た。 「お疲れさん。あ、千歳、お前今日部活終わったら一緒に帰ろうや」 「あ、すまん。今日はちょっと用があるけん帰れんばい」 「用って何の用や?」 「話しがあるけん待っとってくれち言われとる」 「誰に?」 「1組の女子」 「タオルの子か?」 「ああ」 「ふうん……なら別にええわ」 「すまんな」 ドサリと置いた白石のバッグから、何かがこぼれた。 「ん、白石何か落ちたばい……」 それに気付いた千歳が落ちた物を拾う。 「ああ、すまん」 「これ……」 千歳が拾ったのは、今日の昼に汐屋が木の枝に引っ掛けていたあの手紙だった。 驚いて動きが止まった千歳から手紙を受け取ると、白石は笑った。 「やっぱりラブレターっちゅーもんは、なんやしらんけどもらうと嬉しいもんやなあ」 「部長、またラブレターもろたんですか?」 「ほんま、モテすぎるっちゅーのんも困りもんやで」 「うわー、普通のヤツが言うたらムカついてしばきたなるけど、部長が言うたら素直に納得ですわ」 「白石・千歳はうちの学校の二枚看板やしなあ。中学ん時も二人がおった四天宝寺中はイケメンばっかりやったし、ファンもぎょうさんおったからな」 部室で談笑する仲間の声を他所に、千歳は上の空のまま着替えてラケットを握りしめた。 「俺、先に行っとるけん」 部室を出てラケットをフェンスに立てると、ストレッチを始めた。 頭の中は真っ暗だ。 普通真っ白と表現するのかもしれないが、今の千歳の頭の中は黒いのだから、やはり真っ暗だ。 汐屋が渡した、白石へのラブレター。 一体どんな事が書いてあるのだろう。 って、ラブレターなんやけん、好きですって書いてあるに決まっとるたい。 心の中で自分に突っ込む。 情けないどころか、これはまさに惨めだ。 いっそのこと白石に尋ねてみようかと考える。 しかし何と尋ねていいのか分からない。 「千歳」 「……白石」 後ろからやって来た白石に、複雑な表情を寄越す。 白石は爽やかに微笑む。 「……何かお前、えらい機嫌良さそうばってん」 「そらあ、女の子からラブレターもらって嬉しくない男はおらんで」 「さっきのか?」 「そうや。しっかしラブレターなんて久しぶりで、なんや新鮮味があってドキドキしたわ」 「ーーー誰からもらったとや?」 分かっているが、せっかく白石自ら話しを振ってくれたのだから聞いてみる。 「そらあ内緒や」 「俺の知っとる人ね?」 「何でそんなこと聞くんや?」 話しを濁す白石に、はたと気付く。 白石は千歳の好きな人を知っている。それならもし汐屋からラブレターを貰ったのなら教えてくれるはずだ。 ーーーいや、ばってんもし白石も汐屋の事ば好いとったら、汐屋からラブレター貰ったって教えるやろか? 確かに、もし白石も汐屋の事を気に入っているとしたら、誤摩化しても可笑しくない。 千歳は初めて白石に対して腹立たしさを感じた。 それだけ汐屋の事が気になるのだ。 「なんね、俺には教えられんってこつね?」 「そういうんやない。くれた女の子の事考えたら、ペラペラとしゃべることやないやろ?」 「まあ、そうたいね」 「そういう訳で、内緒やーーーおい、お前ら、さっさとストレッチして走るで!」 部室から次々出て来る部員にはっぱを掛けると、白石は千歳の前屈を助けながらボソリと小声で言った。 「なあ千歳。惚れたら負けやなんて、嘘やで?」 「え?」 「おいコラ! 真面目にせえ! 怪我したらかなんで、もうすぐ試合やねんからな!」 白石の言った言葉の意味を尋ねようとしたが、千歳はタイミングを逃してしまった。 続く… お読みくださり、ありがとうございます。 恋する男は複雑なのでございます(笑) 次へ ↓ 不完全燃焼、恋愛模様.12
https://w.atwiki.jp/streetpoint/pages/157.html
不完全燃焼、恋愛模様 球技大会でバスケットボールを選択する連中はそこそこ運動神経が良い人間が多い。 おかげでなかなかの白熱した試合となっていた。 最終クオーター残り時間1分で、74対75と千歳達のチームが一点負けていた。 球技大会とはいえ、なかなか本格的な試合形式を取っている。 おまけに学校最強のイケメンツートップが揃ったこの試合を一目見ようと、ギャラリーもどんどん増えて行った。 「絶対千歳にボール回すな!」 「ディフェンスっ!」 「走れ走れっ!!」 熱くなる選手達の中、千歳も楽しんで試合をしていた。 パシッ! 鋭いパスが飛んできて、千歳はそれを難なくキャッチする。 「きゃあー! 千歳君、シュート決めてや~!!」 「カッコいいーー!!!」 1、2、3人か。 ドリブルをしながら目の前でゴール下を守るディフェンス見て、かいくぐるルートを一瞬で見きわめる。 千歳に抜かれまいとディフェンスの三人が固まってコースを塞ぐ。 キュキュッと小気味よいシューズが床を鳴らす音とギャラリーの声援を受けながら、千歳はタイミングを計る。 今だ! 千歳は自分に襲いかかる敵の手を逃れるため、勢いよく前方に向かってジャンプした。 予想通り敵は千歳のボールを奪おうと追いかけて来た。 そして体を反転させながら、空いたスペースに走り込んできたチームメートに渾身のパスを投げる。 バシンッッ!! 「「「わあああっっっ!!!!」」」 見事千歳のパスが仲間の手に渡り、千歳が敵を引きつけたおかげで邪魔されることなくシュートを決めることができた。 大歓声が起こり、千歳達のチームは逆転に成功。 あと残り46秒。相手の攻撃をしのぐか、さらに得点を入れれば千歳達の勝利だ。 「よっしゃあ! ナイスパス! 千歳!」 「どうしたっ?」 「おっ、おいっ! 千歳っ!?」 ざわざわと声援とは違うどよめきが起こり、雰囲気が変わる。 観客が輪を作る中へチームメート達が急ぐと、そこには倒れ込んだ千歳の姿があった。 先ほどジャンプした勢いのまま壁に激突したのだ。 「大丈夫かっ、千歳!?」 「しっかりしろ、千歳!」 「ーーーう、うう……」 肩を揺さぶられて微かに動く。 顔をしかめて低くうめくと、千歳がゆっくりと体を起こした。 安堵のため息が辺りから漏れ、千歳の間延びした声が聞こえて来る。 「あ~、びっくりした」 「アホ! びっくりしたんはこっちや! 死んだ思たで!?」 「あはは、俺も死んだかと思った」 「おい千歳、お前血ぃ出とるで!?」 「え? あ、ほんなこつ」 笑いながら頭を掻いていた千歳は、自分の手についた血を見て再び笑う。 「笑っとる場合か! 早よ保健室行け! すんませーん、一人負傷したんで選手交代お願いします~」 「立てるか?」 「ああ、よかよか、大丈夫やけん。ちょっと待って、俺、交代せんばい」 のっそりと立ち上がると、一瞬くらりと目眩がした。 「お前アホか! そんな状態で出られても足手まといや。さっさと保健室行って先生に赤チン塗ってもらえ!」 「何かえらい冷たかねえ」 「心配しとるんや!」 「そうなん?」 「千歳君、これ使こうて」 「? お、ありがと」 近くにいた女子が差し出したハンドタオルを受け取り、千歳はありがたくそれを借りて傷口を押さえる。 「んじゃあ足手まといは保健室にでも行くたい。これ、今度洗って返すけん」 タオルを貸してくれた女子に向かって言うと、少女は照れ臭そうな笑顔で言う。 「あ、別に気にせんでええよ」 「……あ、そうか、俺の血が付いたタオルとか気持ち悪いたいね。じゃあ新しいの買って来るけん」 「そんなのええって!」 千歳にタオルをあげたというのが嬉しいらしい少女は、気を遣う千歳を制した。 「いいからさっさと行けや、千歳。怪我しとるくせに女口説きやがって! どんな余裕やねん!」 「別に口説いとらんよ。そげん邪険にせんでもいいやろ? ちゃんと保健室行くけん」 千歳と女生徒とのやりとりを見ていて苛ついた友人に急かされる。 「おい千歳。お前ほんまに大丈夫か?」 「白石。大丈夫たいこんくらい」 心配そうな白石に微笑みかけ、ざわめくギャラリーの中をゆっくりとやり過ごし体育館を出た。 続く… お読みくださりありがとうございました。 球技大会、懐かしい響きです。 管理人運動神経だけはそこそこ良かったんですが、 バスケとかバレーボールといった大きな球を使う球技がからきし駄目でした(笑) なんといってもバスケは片手じゃないとシュートが入らないし、 バレーは力が強すぎてサーブは全部ホームラン。。 という訳で、第3話でお会いしましょう。 次へ ↓ 不完全燃焼、恋愛模様.3
https://w.atwiki.jp/streetpoint/pages/176.html
不完全燃焼、恋愛模様 「何ばしよっと?」 翌日の昼休み、偶然見かけた汐屋は必死に飛んでいた。 そんなぴょんぴょん飛び跳ねる汐屋に近づき、千歳が苦笑しながら尋ねる。 「あ、千歳君」 千歳を振り返った汐屋は棒切れを持っていた。 「なんかえらい必死ばってん、どげんしたと?」 「それがね、あれ……」 「?」 汐屋が棒で指す場所には、木の枝にひっかかった手紙があった。 「もしかして、あれば取ろうとしよったと?」 「うん。廊下歩きよったら急に風が吹いてきて、ここに飛んで引っかかったと」 「なるほどね」 「あ、千歳君背ぇ高かけん届くかもしれんね。お願いしてもよか?」 「よかよ」 軽くジャンプをすると楽々手紙を掴む。 「すごっ」 汐屋は目を丸くさせている。 「まあ、汐屋よりは背の高かけんね」 「あはは、随分とね。ありがとう、本当に助かった~」 そう言って千歳から手紙を受け取ると、汐屋はほっとしたような顔をした。 そんなに大切な手紙だったのだろうか。 そう思い宛名の所に書かれた名前を見た瞬間、ゾワリと背中に悪寒が走った。 汐屋の手に握られた手紙の表には、「白石蔵ノ介様」と書かれていたのだ。 まさかーーー 「もしかして、ラブレターね?」 無意識に尋ねた千歳は、驚く汐屋の顔を見て自分も驚いた。 「あ、ごめん。名前の見えたけん」 「えっ? あっ」 慌てて手紙を自分の後ろに隠すと、汐屋は照れたように笑った。 「あ、あはは、今見たとは内緒やけんね」 「ーーー別に誰にも言わんよ」 ズキンと痛む胸。 「でも千歳君ってほんとに背ぇ高かよね~。羨ましか~」 千歳の傷心に気付くはずも無い汐屋は、必死に背伸びをしながら千歳の頭の位置を手で計る。 複雑な笑顔で千歳は答える。 「まあ、高か所の物ば取る時は便利やね。ばってんいつも待ち合わせ場所にされるけん疲れるたい」 「待ち合わせ場所にされるとは嫌やけど、私小さいけん少し身長分けて欲しか。それに千歳君顔もカッコいいけんモデルさんみたいやもんね」 褒められてもあまり嬉しくないのは、間違いなくさっきの手紙の所為だ。 「そう? 汐屋になら身長分けてやってもよかけど、女の子はあんまり大きかよりも汐屋くらいの身長でちょうどいいっちゃない?」 「それはスタイルいいから言えるセリフやもん。まあ、これ以上は期待しても伸びんけん諦めとるけどね」 「無いものねだりってことやね」 「そうそう。でも千歳君くらいの身長から見る景色ってどげんやろか? 私が見よる景色とは全然違うっちゃろうねえ」 「見てみるね?」 「え? どうやって?」 「……はい」 そう言って千歳は汐屋の目の前でしゃがんだ。 驚く汐屋。 「な、なんしよっと?」 「おんぶ。これやったら俺が見よるのと同じ高さから景色見えるやろ?」 「そ、そうやけどっ」 「別に立ち上がってから手ぇ放したりせんよ」 「そう言う問題じゃなか」 「何ね?」 「誰かに見られたら恥ずかしかやん」 「ああ……」 ふと白石の顔を思い出し、千歳はポリポリと頭を掻いた。 「そうやね、もしも白石に見られて誤解されたら困るしね……じゃあ、まあ、もしまた高い所の物取りたかったらいつでも呼ばんね」 「え? あ、うん?」 そう言い残して千歳はさっさと汐屋の前から立ち去った。 続く… 千歳ショック!w ここまでお読みくださり、ありがとうございます。 もうちょっと続きます。 次へ ↓ 不完全燃焼、恋愛模様.10
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不完全燃焼、恋愛模様 書店を出て待ち合わせ場所の商店街前の公園へ移動する。 なんだか妙に周囲が騒がしい気がしたが、千歳はそんなことより汐屋が本当に来てくれるかどうか心配だった。 約束を破るような子じゃないのは分かっていたが、こうやって待ち合わせをして出かけるのが初めてだったので、落ち着かないのだ。 そう思うと、今まで仲が良いと思っていたが、案外お互いのプライベートを知らない事に気付く。 家族構成や九州にいた頃どこに住んでいたかくらいは知っている。 しかし、どんな音楽やスポーツが好きだとか、そういった細かい事は何も知らない。 「なんか、相変わらずっちゅーか、高校に入って色気が増したっちゅーか……」 並んで立つ白石と千歳を見比べながら、忍足が呟いた。 昔から気持ち悪いくらいモテる白石は綺麗な顔立ちをしているし、千歳は190センチ以上の長身と優しい性格でこちらもモテる。 忍足も白石に負けず繊細な顔立ちをしているおかげでモテるのだが、そんないわゆるイケメンが3人並んで立っているのだ。周囲が騒ぐのも無理はない。 通り過ぎる女性達のほとんどがこちらを振り返る。 ちょっとした芸能人みたいだ。 数分過ぎた頃だった、遠巻きにこちらを観察する女性たちの向こう側から、一人の女の子が遠慮がちにやって来た。 「お待たせ……恐ろしく目立ってるからすぐに分かったよ」 そう言って千歳の前にやって来たのは汐屋だった。 忍足は少女を見てにやりと笑う。 千歳がこの少女の事を好きなのは先ほどの白石との会話で分かっていた。 特に美人という訳ではないが、優しそうで柔らかな雰囲気を持っている。 でもどこか一枚壁を作っている、そんな不思議な印象を受けた。 そこで忍足に気付いた汐屋がペコリと頭を下げる。 「こんにちは」 「あ、こんにちは」 吊られて忍足も頭を下げる。 それを見て白石が忍足を紹介した。 「汐屋、こいつ中学ん時のチームメートで、忍足謙也。謙也、この子は俺のクラスメートの汐屋雪緒さん」 「よろしく」 「よろしゅうな」 「千歳とはさっきそこで偶然会うたんや。なんや汐屋が来るって言うから、挨拶しとこ思って」 「そうなんだ。どこか行くの?」 「部活休みやし、謙也とテニスしに行こうか思ててん」 「休みの日もするの? すごい熱心なんだね」 「汐屋も一緒に来るか?」 「私は千歳君と買い物あるし」 「そうたい、二人とも早く行って来んね」 邪魔そうな顔をする千歳に、白石が微笑む。 「俺達も一緒に買い物付き合うわ。そんで飯食って皆でテニスしよ?」 「あ、賛成」 便乗してしたり顔で手を挙げる忍足を千歳が睨む。 が、反対する事も出来ないので汐屋に助け舟を求める。 「汐屋、お前テニスとか興味ないやろ?」 「ううん、テニス好きだよ」 「ほんまに?」 「やったことはないけど、見るのは好き」 「ほんなら決まりやな」 「よし、行こか、千歳。ハンドタオルやったな。汐屋、どっかいい店知っとるんか?」 千歳を置いてさっさと歩き出した白石と忍足に、千歳はまたため息を吐く。 汐屋も別に白石達と一緒に行動するのを嫌がっていないようだ。 ということは、千歳一人が汐屋と二人で出かけられることを喜んでいたということになる。 情けない。 もっと汐屋との距離を縮めたい。 しかしそのためにはどうするべきか。 千歳は前を歩く3人の後ろ姿を眺めながら必死で考えた。 続く… お読みくださりありがとうございました。 短かったですね。 まだしばらく続きます。この話しでのテーマは浮遊感(笑) 次へ ↓ 不完全燃焼、恋愛模様.7
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トリップは◆zJkcDVhe5A 「のほ本」第3号でインタビューが掲載されている 【登録タグ】 03年 04年 05年 06年 09年 のほ本 コテハン 名前 コメント
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200 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/05(土) 06 51 05 ID ??? 流れを叩ききって報告。昔、ドラゴンアームズというロボット物ゲームで、 ロボットに乗らずにシナリオが終わったことがあった。マスター曰く、 「このゲームのロボット船のルールは難しいし、バランスがおかしい」から だそうで。 あー、ガンダムで例えると、ホワイトベース内で起きたどろどろ愛憎劇。 でも、モビルスーツのモの字も出ないで話は終わったというもの。 ちなみに不完全燃焼爆発で、ちっとも面白くありませんでした。 そのマスターが別な日にダブルクロスを行ないました。全員の侵蝕率が 100%突破する前にシナリオが終わる。いや、ラスボスのジャームが、 PCの説得に応じてしまったので(笑)やっぱり不完全燃焼率大爆発でした。 205 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/05(土) 07 59 42 ID ??? 200 ラスボスが説得に応じると高確率でジャーム化するよ。 コンベのブレカナで「全く自覚もない悲劇の少女殺戮者」が出てPCの一人が惚れて闇に落ちたら心中するって駆け落ち→解放ないから全員闇に落ちるエンドになったことある 207 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/05(土) 08 32 37 ID ??? 205 それやろうとしてPLに 「それはシステムで禁止されてるから駄目」 って言ったGMがいたな。 よく分からん理屈だが、PCが殺戮者になるような行為はしちゃ駄目ってルールブックに書いてるらしい。尊厳が1点でも残ってるうちは絶対駄目なんだと。 ルール持ってないので本当かどうかは知らんが、取りあえずそいつのマスタリングは常時そんな感じで面白くなかった。 スレ167
https://w.atwiki.jp/streetpoint/pages/158.html
不完全燃焼、恋愛模様 残り46秒で交代げな、やっぱ俺は情けなかね。 そんなマイナス思考を巡らしながら階段を下りる。 派手にぶつけた頭はまだ少しクラクラしていた。 恐ろしく長い時間歩いたような気がするが、体育館から保健室までは目と鼻の先。 どんなにクラクラする頭を抱えた千歳の足でも、3分もかかっていないはずだ。 漸くたどり着いた保健室のドアを開けると、いるわいるわ。怪我人の山だった。 「あら、また怪我人? ちょっとそこで待っとってな」 保険医は足から血を流す男子生徒の手当をしながら、あごで空いているパイプ椅子を千歳に勧めた。 仕方ないので言われるままその椅子に腰掛け、ぼうっと窓の向こうを見つめる。 時間的にソフトボールの試合はとっくに終わっている頃だろう。 が、もしかしたら彼女が近くを横切るかもしれないと、淡い期待を持って見てみる。 そげん都合よく通る訳ないか…… 女々しい自分に溜め息をつくと、保険医がこちらに顔を向けた。 「はい、こっちにどうぞ。あら、頭から血が出てるやないの、どうしたん!?」 「体育館の壁に頭から激突して」 「もう、ほんまに男の子は元気がええなあ。ちっとは休ませてえな。先生朝から仕事しっぱなしや……あ! こらあかん。病院行きや」 「え? 病院?」 保険医の言葉にドキリとする。 「傷自体は深ないけど、結構切れとるわ。病院行って縫ってもろたほうが治りも早い。えっとあんたは6組の千歳君やな。担任の先生呼んで来るから、それまで頭押さえておとなしゅう待っとき!」 そう言って簡単に手当をされ、その上を新しく渡されたタオルで抑えさせられた。 「他の怪我人は保険委員で面倒見とってや」 「「はあい」」 野戦病院のような保健室に取り残された千歳は辺りを見回す。 痛いだのしみるだのわめくのはほとんどが男子生徒で、色気も何もない。 保険委員の女子が2名いたが、息つく暇もないほど忙しそうにしている。 ガララッ! 「先生、怪我してもーた!」 「今先生おらんからちょっと待ってて」 「え? マジで? ……あかん、俺出血多量で死んでまう」 「しっかりしろ! 傷は浅いで!」 「あ~もう、入り口で二人して邪魔やなあ! さっさと入って待っとってや!」 その間にも新しい怪我人がやって来る。 ただ座って待っていてはその場の変な空気で余計に具合が悪くなりそうに思えて、千歳は立ち上がった。 「あ、どこ行くん?」 それに気付いた保険委員が慌てて声をかける。 「ちょっと外に出とる。ここにおったら余計に頭クラクラするけん」 そう言ってグラウンドと保健室とを繋ぐドアを開けた。 「近くにおってな。先生帰ってきても探しに行く暇ないから」 「分かっとる。その辺に座っとるけん、声掛けて」 「うん」 後ろ手にドアを閉めると千歳は深呼吸をした。 目眩も随分治まったようだ。 タオルを頭から離して確認する。 保険医が傷口にガーゼをあててくれているのでタオルに血はついてはいない。 それにしても、まさか病院で頭を縫うはめになるとは情けない。 正直昔怪我をした目の所為と言えば言い訳がましいが、見えづらくて思った以上に強く飛びすぎたらしい。 やっぱり俺は情けなか。あいつが見よらんでよかったばい。 「ふう」 近くの植え込みの横に座り、空を見上げる。 視線を戻して先ほど女子が貸してくれたハンドタオルを見ると、千歳の血で赤いシミが出来ていた。 案外血が出ていてげんなりする。 「千歳君?」 「ーーーあ?」 そこに現れたのは、さきほど見事なバッティングを見せていた千歳が思いを寄せる少女、汐屋雪緒だ。 驚く千歳のすぐ目の前までやって来ると、汐屋は眉間にしわを寄せる。 「どげんしたと? その頭」 「ああ、ちょっと」 「ちょっとじゃないやん。血の出とるやん。バスケの試合、そげん激しかったと?」 「あ〜。まあまあ、かな?」 ボールを追いかけ回していた先ほどの様子を思い出しながら苦笑する。 「えらい痛そうばってん、大丈夫と?」 「平気たい、こんくらい」 「千歳、大丈夫か!?」 そこへ千歳の担任が保健室のドアから飛んで現れた。 突然のことに驚く千歳と汐屋。 「すぐ病院行くで、俺の車まで来い。あ、汐屋、お前こいつの荷物教室から持ってきてくれへんか? 俺はこいつ車に詰め込んどるから」 「あ、はい」 「先生、荷物くらい自分で取りに行けるけん別に汐屋に頼まんでも大丈夫ばい。それに汐屋俺の席知らんやろ?」 「あ、誰かに聞くし」 「ばってん……」 「ええい、やかまし、怪我人は黙っとれ! 汐屋、頼んだで。千歳、お前はこっちや」 半ば強制的に担任に引っ張られ、一瞬汐屋を振り返る。 汐屋はすでに行動に移っていて、あっという間に渡り廊下から校舎内に入って行った。 自分のために急いでくれてるんだと思うと、怪我をして良かったなと心の中で呟いた。 続く… お読みくださりありがとうございました。 本当にヒロインの名前考えろよ自分。って思うんですけど、 面倒で…(笑) 千歳の心配、管理人もしたいです(アホ) 次へ ↓ 不完全燃焼、恋愛模様.4